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歯科の辞典
唾液
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概要
唾液とは、無色透明、あるいはやや白濁している粘性の消化液である。健康な成人で1日あたり1.0〜1.5L分泌されるが、分泌量は年齢や食習慣、服薬状況などによって異なる。
唾液の90%以上は左右一対の大唾液腺で作られ、口腔内に分泌される。
これらの他、多数の小唾液腺が粘膜下に分布している。
- 大唾液腺
- 耳下腺(じかせん)
- 舌下腺(ぜっかせん)
- 顎下腺(がっかせん)
- 小唾液腺
- 口唇腺(こうしんせん)
- 頬腺(きょうせん)
- 口蓋腺(こうがいせん)
- 臼歯腺(きゅうしせん)
- 舌腺(ぜつせん)
主に、大唾液腺である耳下腺からは漿液性の唾液、舌下腺や小唾液腺からは粘液性の唾液、顎下腺からは漿液性と粘液性が合わさった混合性の唾液が分泌される。
役割
- 自浄作用(歯や粘膜に付着した食べカスを洗い流す)
- 粘膜保護・湿潤作用(歯や粘膜を乾燥から防ぐ)
- pH緩衝作用(口腔内のpHを中性に保つ)
- 再石灰化作用(歯を脱灰から防ぎ、脱灰された歯の表面を修復する)
- 消化作用(アミラーゼ、リパーゼを分泌、デンプンや脂肪を分解する)
- 抗菌作用(細菌の増殖を抑える)
- 食塊形成作用(食事の際に嚥下が円滑に行えるように補助する)
- 潤滑作用(会話の時に舌や口唇の運動を円滑にする)
- 粘膜修復作用(傷ついた粘膜を修復する)
唾液には上記のような役割があるため、唾液分泌量が減少するとう蝕(むし歯)や歯周病リスクの増加、口臭、摂食障害などにつながる。また口腔内が乾燥することで不快感だけでなく痛みにつながることも多い。