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矮小歯

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概要

歯の大きさが通常よりも著しく小さい歯。歯冠が縮小した形態を示し、円錐状や蕾状であることが多い。
矮小歯は永久歯の形態異常の一つとされ、上顎側切歯第三大臼歯に好発するほか、第二小臼歯下顎中切歯乳歯列に見られる場合もある。
矮小歯そのものは必ずしも機能障害を伴うとは限らないが、隣在歯との不調和や歯列内に空隙を生じやすく、歯列不正(歯並び)や不正咬合(かみ合わせ)などの一因となることがある。

原因

先天的遺伝

  • 遺伝的なもの
    家族内に矮小歯や先天性欠如歯を有する者がいる場合、歯の大きさの異常が発現することがある。
  • 発育過程の異常
    歯の発育不全により、歯冠が十分に発達しないことで矮小歯が生じることがある。
  • 歯の退化現象
    上顎側切歯および第三大臼歯にはもともと退化傾向があり、矮小化して現れることが多いとされる。
  • 全身疾患との関連
    ダウン症候群など、全身性の遺伝性疾患などの一徴候として認められることがある。

治療方法

咀嚼機能や発音に明らかな問題が無く、患者の審美的主訴もない場合には、特別な処置を行わず経過観察とすることが多い。一方、審美的な問題や不正咬合、食片圧入などの問題を生じている場合には、以下のような治療法を組み合わせて行う。

1. 歯冠形態の修復

主に上顎側切歯など、審美領域において行われる。

  • コンポジットレジンによる修復
    コンポジットレジンを使用して、矮小歯の歯冠形態を隣在歯と調和する大きさまで増大させる方法。歯を切削し、その場で修復するため、施術時間は長くなるものの、当日中に施術が完了する。
  • ラミネートベニア/クラウンによる補綴修復
    エナメル質表層を一層切削し、セラミックなどで歯冠を修復する方法。色調・形態の再現性に優れ長期的な安定が期待できるが、侵襲性とコストとのバランスも考慮する必要がある。また、歯を切削後、印象採得(型とり)をし、技工所で製作、後日来院時に接着するため、治療のための来院回数が増える。

2. 矯正治療

矮小歯により歯間空隙や歯列不正が生じている場合は、歯列矯正後に修復処置を行うことが多い。
なお矮小歯自体の形態を変えずに、歯列矯正のみで空隙を改善させられることもあるが、審美領域では歯列矯正と修復処置が併用されることが多い。

3. 抜歯およびその他の補綴的対応

矮小歯が機能的役割を果たすのが難しい場合や、残存歯に悪影響を及ぼすと判断された場合には、抜歯後に以下のような補綴治療を検討する。

特に先天性欠如と矮小歯が混在する症例では、長期的な顎骨成長や咬合の変化を考慮した上で、矯正科・補綴科・小児歯科が連携して治療計画を立案することが重要である。