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歯科の辞典
舌小帯・上唇小帯
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概要
舌小帯は舌を挙上した際に見えるヒダで、舌の裏側から口底にかけて伸びている。上唇小帯は上唇を翻した際に見えるヒダで、上唇の裏側から上顎の歯肉中央部にかけて伸びている。
口腔内の小帯としては、これらの他に頬小帯や下唇小帯も存在する。
関連する疾患
舌小帯付着異常
舌小帯の付着している位置に異常がある状態。病態により「舌小帯強直症」「舌小帯短縮症」「舌小帯癒着症」などと呼ばれる。舌を上手く動かせず哺乳や発音、食事などに影響が出る。
● 哺乳
・ 吸い付きが弱い
・ 哺乳不十分のまま眠ってしまう
● 発音
・ 特に舌先を使う「さ行」「た行」「ら行」の発音が不明瞭になることが多い
● 食事
・ 食べ物をなかなか喉へ送り込めない(飲み込めない)
・ 咀嚼せず丸飲みしてしまう
・ 咀嚼できずに食が細くなる
● その他
・ 舌を出すと舌先が小帯により牽引され、舌先がハート型になる
上唇小帯付着異常
上唇小帯は成長に伴って適切な大きさ・形態へと変化し、位置も適切な場所へと移動する。しかし十分に変化が行われないと、上顎中切歯の位置異常や正中離開(歯と歯の間に隙間が生じること)の原因となる。また歯磨き時の痛みにより清掃不良となり、う蝕や歯周病の原因にもなる。
・処置
舌小帯付着異常のために発音障害や摂食障害がある場合や、上唇小帯付着異常のために歯列に影響を及ぼしている場合は小帯を切開する「小帯切除術」を検討する。