上顎洞炎(何らかの原因で上顎洞に炎症が起きている状態)のうち、歯が原因になったものを歯性上顎洞炎と呼ぶ。上顎臼歯部の歯根が上顎洞と近接しているため、う蝕(むし歯)や歯周病の進行により細菌が繁殖すると、根尖から細菌が波及して起こる。痛みや鼻閉感、眼の下部分の腫脹などが主な症状であり、原因歯の治療が必要である。
上顎洞炎とよく似ている症状で上顎洞がんがあるが、後者は進行によりがんが増大する。これにより組織が圧迫され、視力低下や複視、顔面の腫脹、痛みなどが起こる。手術により上顎の部分切除を行なったり、放射線・薬物療法を併用したりする。
