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エナメル質形成不全

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症状

歯の表面は本来エナメル質に覆われているが、そのエナメル質が上手く作られなかった歯・状態のこと。乳歯・永久歯いずれにおいても見られる。

エナメル質は本来とても硬く、さまざまな刺激から歯を守る役割がある。そのためエナメル質形成不全の起こっている歯は、刺激に弱く、う蝕(むし歯)になりやすかったりう蝕の進行が早かったりする。また他の部分と色が異なることで見た目も悪く目立つ。

特徴と役割

エナメル質が作られる時期に、何らかの障害や影響を受けたことが原因とされている。乳歯のエナメル質は胎児期(母親が妊娠3〜4ヶ月の頃)に作られ始める。そのため乳歯にエナメル質形成不全が見られた場合、以下のような原因が考えられる。

  • 妊娠中に母体に何らかの問題が起こったこと
    • 栄養・ビタミン不足
    • 病気への罹患・感染
    • 特定薬物の長期服用・投与
    • ホルモン異常 など

これらが原因であった場合、エナメル質形成不全は1歯でなく複数歯に渡って見られることが多い。

生後1年以内の高熱、発疹性疾患や、乳歯のう蝕が重度であったり外傷を受けたりした場合、その後生えてくる永久歯が影響を受けてエナメル質形成不全となる。

治療方法

軽度のエナメル質形成不全に対しては、定期検診とフッ化物塗布によりう蝕の予防を第一目標とする。重度のエナメル質形成不全ではう蝕の予防と外観改善のため、エナメル質形成不全の見られる部分を削ってコンポジットレジン充填を行なったり、被せ物で覆ったりする方法が一般的である。