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スティップリング

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概要

スティップリングとは、歯肉の表面に見られる小さなくぼみのこと。これは健康な歯肉においてのみ見られるものであり、付着歯肉に現れる。

スティップリングは、歯肉線維束が上皮を牽引することで自然に形成される。歯肉のコラーゲン線維が発達する2歳ごろから思春期ごろにかけて徐々に現れるものの個人差が大きく、前歯部でよく見られる。

役割

スティップリングそのものに特定の機能があるわけではないが、健康な歯肉の目安として歯科医療では重視されており、以下のような観点で評価される。

  • 歯肉が引き締まっているとスティップリングが現れる
    スティップリングが見られるということは、歯肉の内部で線維組織がしっかりと張り巡らされているということである。つまり歯肉が弾力を保ち、炎症が生じていないことを示している。
  • 炎症時には消失する
    歯肉に腫脹や発赤が起こると、歯肉の内部構造が崩壊する。その結果スティップリングは消失し、表面はツルツルと光沢のある状態に変化する。そのためスティップリングの有無は、歯科医師や歯科衛生士による歯周検査時の参考指標となる。
  • “スティップリング”が消失しても、歯肉が健康な状態になれば再び現れる
    炎症によって一時的にスティップリングが消失しても、プラーク除去や歯周治療などで歯肉が健康な状態に戻れば、再びスティップリングが現れることが多い。

なお、スティップリングが見られない=即座に「異常」と見なされるわけではない。年齢や体質などにより、健康な歯肉でもスティップリングが明瞭に見えない患者もいる。そのため、他の症状(発赤・腫脹・出血・歯周ポケットの深さなど)と合わせて、総合的に判断することが大切である。