Dictionary 歯科の辞典

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血餅

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概要

血液が凝固したもののこと。血液を放置すると、血球(赤血球・白血球・血小板等)と繊維素(フィブリン)が絡まり、赤い固体と透明な血清とに分かれる。前者を血餅と呼ぶ。

抜歯後は一時的に歯槽骨が露出するが、周囲組織から血が滲むことで抜歯窩に血液が溜まる。これが徐々に凝固しゼリー状の血餅となる。血餅は時間とともに退縮する。

血小板減少症をはじめとする血液に関する疾患や、高血圧治療のために抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を服用している場合は、血餅の形成が不十分になる可能性があるため、外科処置前に申告する方が良い。

役割

・ 止血

・ 創傷治癒

・ 二次感染防止

関連する疾患

・ ドライソケット

血餅が上手く形成されなかったり剥がれ落ちたりすると、創傷部の骨が露出する。この状態をドライソケットと呼び、創傷部の細菌感染や外部からの刺激により強い痛みが生じたり、治癒の遅れにつながったりする。

ドライソケットを予防するためには、抜歯後に以下のような患者指導を行う。

・ 抜歯当日は強い含嗽をしない

・ 抜歯窩に触らない

・ 抜歯窩周囲の歯磨きは優しく行う

・ 抜歯後数日は禁煙する(喫煙により血液循環が悪くなると血餅ができにくくなるため)