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歯科の辞典
口唇口蓋裂
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症状
先天的に唇が割れていて繋がっていない状態を口唇裂、口蓋が割れていて繋がっていない状態を口蓋裂と言う。およそ500〜600人に1人の割合で起き、口唇裂あるいは口蓋裂が単独で生じることもあれば、両者が同時に生じることもある。
乳児期は母乳などにより栄養を得るが、口唇口蓋裂があると十分な栄養を摂りにくくなる。また、口蓋が割れていることで鼻腔に汚れが入りやすく、炎症を起こしやすくなったり、歯が生えず歯並びに影響が出ることもある。
原因
原因は不明なものが多いが、妊娠初期に以下のような要因が加わると発生リスクが高まると言われている。
- 胎児に異常な力が加わること
- 母体の栄養不足・ストレス
- 薬の服用(ステロイド薬・鎮痛薬・サリドマイド等)
- 風疹にかかること
- 放射線被爆
- 遺伝子要因 等
口唇は胎生7週ごろ、口蓋は胎生12週ごろに作られ始めるため、この時期に上記の要因が加わると特に影響を受けやすい。なお、口唇口蓋裂は妊娠前の検査で判明することもある。
治療方法
口唇裂は、生後3ヶ月以降に成長を見ながら口唇を閉鎖する手術を行う。口蓋裂に対しては顎の発育を促したり哺乳を補助するための装置を製作し、1歳半ごろを目安に口蓋を閉鎖する手術を行う。同時に、正しい発音のための訓練や中耳炎などの治療、矯正治療などを進めていくため、乳児期から成人するまで長期に渡った治療が必要になるが、口唇口蓋裂のない方と変わりなく成長していくことが可能である。